このカフェは愛媛県松山市の中心部から、まっすぐ南へ伸びる通称はなみずき通りとよばれている美しい並木通りに面している。
アプローチ部分には通りと同じはなみずきをシンボルツリーとして植え、並木通りとの連続性・内部空間の広がりを強調している。

オーナーは日本の焼き物を収集しており、伊万里や九谷でコーヒーを味わってもらいたいと願っていたことも有り、洋と和が融合されたカフェ空間を創り出す事をデザインテーマとしている。
在来の木造軸組工法による力強い骨組、坪庭、竪・横格子、左官の手が残る塗壁などで和を表現しながら、南側のガラス壁、西側の横長の窓、北側のハイサイドライトからの光の取り入れ方で洋を感じさせている。
木造骨組のすきまから降り注ぐ柔らかな光と複雑な影が白い壁に映り、時の流れを語りかけ、コーヒーの香りと共に、変化する光の色や濃さが味わいのあるカフェ空間を創っていく。